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<<   作成日時 : 2008/08/25 23:00   >>

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表紙
○年○組○○番 ○○○○

題名
読書感想文

書名
空の境界(上)、(下)

著者名
奈須きのこ

出版社名
講談社

1枚目
この作品の主人公である両義式は2つの人格を持っており、一つは主に肯定の人格である「式」と
もう一つは否定の「織」と言う人格を持っている少女の物語である。
彼女は人でないモノを輩出する家系から生まれたための一つの特性である。
ただし、この特性は常に一つの体の中に対立構造を持つため人とはズレた者である。
彼女は自分の中にある「全てを破壊してしまいたい」という衝動を抑えながら生きてきたが、
高校に進学し、出会った少年の黒桐幹也との出会いによって彼女の中の何かを狂わせてしまう。
それと同じ時期に被害者がバラバラにされる猟奇連続殺人が発生する。(猟奇連続殺人事件と書き直すべきかも)
彼女はそんな事件があるにもかかわらず夜に散歩をする。
その後に彼女は交通事故で二年間昏睡状態になってしまう。
二年後に目覚めた彼女は事故によって「織」の人格と当時の記憶を失ってしまう。
その代わりにあらゆるものの「死」を視覚情報として認識できる「直死の魔眼」を手に入れる。
それ以降

2枚目
式の周りで起こる怪異な事件、そしてその裏で暗躍する者の存在、
目覚めた時に今後について諭した女性の蒼崎橙子の仕事として怪異な事件を解決していく、
そして式が記憶を取り戻す時に式の前に二年前の殺人鬼との対峙…
これらのことを全7章に分けられ、その章ごとに1つのテーマを設定し、それらを話で読者に伝えていく手法です。
そして、この7章で最初に残った謎を一つずつ解明していきます。
謎を解明していく順序のためか物語の時間軸がバラバラのため少し混乱しましたが
かなり興味深いものでした。
それは作者の持つ考えや独自の世界観がこの作品の中ににじみ出ているからです。
それはこの物語に出てくる登場人物の持っている哲学として表現されており、
一見するとスプラッターでどこかホラーな作品ですが、
読み進めていくうちに生きることや殺すといったことは何か?
などたくさんのメッセージがこの作品にはこめられていると思います。
例えば「生き方」の一

3枚目
つを取っても特別な存在ゆえに「特別に生きる」式の苦悩があり自分が共感したのは
黒桐幹也がやっている「普通に生きる」そのことはとても難しく、上でもないし下でもないこのいたって平凡なことが、
それがいかに幸福であるか、それはとても微妙なバランスで成り立っているかをこの作品を通して痛感しました。
また作品の中のテーマである世界、痛み、肉体、記憶、永遠などの壮大な考えに圧倒されました・
そして作者の独自の世界観は人を惹きつけるのではないかと思いました。
例えば全ての物には何か元があり、それを「根源」と称し、物語の中でそれを望む物として展開しています。
また、主人公の両義式が持っている「勅旨の魔眼」それによって見える物である「死」である。
それは万物にあり、それは人間だけでなく建造物、大気にも言葉、概念にもあり、
それらすべてを「線」や「点」で見えるというものです。
つまりモノが崩壊するという、つまり「死」

4枚目
を内包し、その線を断つことでモノを死に至らせるという設定ですが、
これは裏を返せばこの世にある全てのモノはいつか滅ぶ運命にあるというあたりまえのことを痛感させてくれます。
特に一番印象に残ったのがよくファンタジーもので出てくる魔法使いや魔法は
この作品の中では最上級のもので、火を起こしたり、雷を落としたりすることは現代で可能なので
魔術というものは現代科学で再現できるものであって、魔法は現代科学で再現できないもの、
つまり火を起こすのはライターでも出来るし、雷を起こすのは大規模な装置が必要だが出来るものであって、
これを魔術と称し、これを使うものを魔術師と呼び、時間を越える、死者を生き返らせるなどの現代の
技術やどれだけの資源をつぎ込んでも成し得ない奇跡を魔法であり、この作者の作品は共通で
5つしかなく、魔法を使えるもの、つまり「魔法使い」の称号を持つものは4人しかいないという独自の世界観であり、
妙に現実味

5枚目
があるなあと思いました。
これらのように少し一般的な考えとズレたこの作者が好きで  (悪く言えば中2病患者)
この本を手に取ったのだろうと思います。
この本を読んで1回読み切っただけでは内容をあまり理解できませんでした。
しかし、読み切って分かったことは、
どうもこの作品はどんな人に読んでもらおうとかそういう風には作られておらず、
ただこの作品の作者である奈須きのこ氏がただ書きたいから書いたのだろうと感じました。
そのため内容がかなりフリーダムに書かれてますが、数々の点に共感でき、
自分としてはとても良い作品だと思いました。

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